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【賃貸経営】賃貸経営における消防設備と貯水槽の点検について

NAOKI MIZUTANI

名古屋を拠点に東海エリア全域で活動しているエーチームです。

 

今回は賃貸経営をされているオーナー様はご存知の事かと思いますが、消防設備の点検・報告、貯水槽の清掃と点検は法令で義務付けられています。(水道が直結方式の場合は設置はありません)。

あらためて内容をご確認頂き、万が一のリスクに対して備えて頂ければと思います。

 

消防設備点検とは

 

消防設備点検は消防法に基づき実施が義務付けられています。

消防設備とは万が一の火災の際に、入居者の人命や財産を守るための設備です。主な設備は消火器・自動火災報知機・スプリンクラー・誘導灯・避難はしごなどです。これらの設備が万が一の火災の際に、確実に作動するかを点検し報告しなければなりません。

報告はその建物が存する所轄の消防長または消防署長に行います。

 

 

建物について

 

対象となる建物の種類によって報告義務の頻度は違います。

「特定防火対象物」百貨店・ホテル・大型商業施設・病院・飲食店・劇場・地下街など → 1年に1回の報告義務

「非特定防火対象物」共同住宅・学校・図書館・工場・倉庫・事務所・駐車場など   → 3年に1回の報告義務

点検の結果を消防署長に報告せず、または虚偽の報告をした場合「30万円以下の罰金、または拘留」されるという処罰があります。

 

 

消防設備の点検項目について

 

それぞれの消防設備の点検項目は以下の通りです。

・消火器

建物に備え付けられている消火器の動作確認の点検です。古いものは交換を行います。中身だけを交換する場合もあります。

消火器の大きさは建物や置かれている場所によって変わります。種類は火災の種類によってABCの分類がされており、A(普通火災)・B(油火災)・C(電気火災)の種類があります。ABC粉末消火器がすべての火災に対応しており、この消火器が設置の多数を占めています。

 

・自動火災報知器

おもに建物の天井に設置されている「熱や煙」を感知する設備です。自動火災報知機は建物全体の報知器と連動しており、1つが感知し発報すると建物すべての報知器も発報して建物にいるすべての人に火災を知らせる仕組みです。

点検ではこれらを実際に発報させて確認します。

 

・誘導灯

万が一の火災の際に建物の非常口や避難用設備へ逃げる人を誘導する為の設備です。非常口や天井付近に設置されている緑と白の照明です。

電球切れや器具の劣化により、点灯していなかったり暗かったりすると煙で見えなくなります。設置場所が適切かの確認もあり、ポスターなどが障害になって誘導灯が隠れていないかなども確認します。

 

・避難器具

火災が発生した際に建物内にいる人が避難する為の設備です。種類は避難ロープ・すべり棒・避難用タラップ・避難はしご・緩降機・避難袋・すべり台などがあります。建物の規模や回階数によって設置する設備の個数や種類の基準があります。

点検ではこれらが正常に作動するかを確認します。

 

・連結送水管

連結送水管は消火活動上必要な設備の一つです。消防隊が本格的な消火活動を行う際に消火用の水を、火災が発生した階まで送水するために設置される設備です。

連結送水管は、送水口、放水口、放水用器具格納箱等から構成されており、それぞれのホースや配管に経年劣化がないか点検します。設置後、10年を経過したものに付き3年毎に実施することが義務付けられています。

 

その他、非常警報設備・スプリンクラーなどの消火設備・消防用水・排煙設備・非常電源などの設備も設置されている建物では点検項目となります。

点検に掛かる費用は建物の規模や設置されている設備の種類や個数によって変わります。

もしも点検の不備による火災が発生しオーナー側に重大な過失ががあった場合、火災保険の適用が除外される事もあります。

万が一の火災が発生した時に消防設備が作動しなかったといったことがないように、消防設備の点検や報告は怠ることが無いようにしましょう。

 

 

 

 

貯水槽の管理について

 

ビルやマンションに設置されている貯水槽は設置者・管理者が適正な管理を行い、衛生的な水を給水しなければなりません。

オーナー様の不十分な管理が原因で入居者様の健康被害を引き起こした場合、オーナー様の責任となり多大な損害賠償を負うこととなります。

そのうえ貯水槽の管理不良の場合、改善命令や給水停止の措置命令が行われます。その命令に違反した場合「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」といった処罰があります。

水質検査・管理を怠り違反した場合は「100万円以下の罰金」、虚偽の報告などで「罰金30万円」の処罰があります。

小規模貯水槽清掃は法令での罰則は適用されませんが、各市町村の条例で罰則を定められている場合もあります。

 

 

貯水槽の種類

 

・簡易専用水道(受水槽の有効容量が10㎥を超えるもの)

・小規模貯水槽水道(受水槽の有効容量が10㎥以下のもの)

上記2種類の内、簡易専用水道は維持管理に関する検査と清掃を、1年に1回行うことが法令で義務付けられています。

 

 

検査とは?

オーナー様の中には稀に貯水槽の管理・検査をされていない方もおられました。

清掃されていない貯水槽の内部はサビ・汚れ・細菌が発生している可能性があります。マンホールの蓋がずれたり破損していたり、水槽本体に亀裂が入っていたり、防虫網が破れていたりなど、隙間や破損個所から土砂や小動物や昆虫や植物が入り込むことにより、貯水槽内の水質を汚染してしまう場合があります。

貯水槽の検査とは、貯水槽の施設の外観や周辺状況の検査、貯水槽内の水質検査、清掃の記録などの書類検査のことを言います。水質検査はその建物の末端の上水道の蛇口から出る水の、味・臭気・色・色度・濁度・残留塩素の有無を検査します。

 

貯水槽点検に掛かる費用は貯水槽の大きさや設置されている場所などの条件によって変わります。

物件の入居者様の安全な生活のためにも、必ず貯水槽の清掃と検査は行うようにしましょう。

 

 

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さいごに

 

消防設備や貯水槽は賃貸物件の入居者様の生活・命に直結する設備です。

点検や整備を怠る事が無いように気をつけましょう。

 

消防設備点検や貯水槽点検に関してのお困り事やご相談などございましたら、エーチームまでお気軽にお問い合わせください。

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