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中古マンションの購入について⑥~重要事項調査報告書のチェックポイント

NAOKI MIZUTANI

名古屋を拠点に東海エリア全域で活動しているエーチームです。

弊社エーチーム株式会社では賃貸管理だけではなく不動産の賃貸仲介・売買仲介の業務も行っており、お客様の理想のお部屋探しを全力でお手伝いさせて頂いております。

 

前回は「重要事項調査報告書・長期修繕計画書とは?」をご紹介いたしました。

今回は引き続き「重要事項調査報告書のチェックポイント」を不動産のプロの視点でお伝えできればと思います。

中古マンションを選ぶうえで重要事項調査報告書の内容は、マンションの管理状態や内容、今後のマンション内での生活に直結する内容が記載されている重要な資料です。

内容やチェックするべきポイントを押さえておきましょう。

マイホームの購入を検討されている皆様のご参考になれば幸いです。

 

 

前回のブログでお伝えしたように重要事項調査報告書の内容すべてをチェックすべきですが、その中でも売買の際に重要な項目を説明いたします。

 

お金に関する内容

 

・該当する住戸の管理費や修繕積立金の月額や滞納額

売買対象の住戸(調査依頼した住戸)の現在の管理費や修繕積立金の月額が確認できます。併せてそれらの滞納の有無と金額も記載されます。滞納に関しては所有者変更をしても引き継がれますので、滞納があった場合は決済前や決済時に清算されるように取り決めをし、トラブルを防ぎましょう。

 

・マンション全体の管理費等の滞納額

それぞれのマンションによって管理費等の滞納が問題化していたり、全く滞納が無いマンションもあります。滞納がある場合でも、そのマンションの総世帯数に対する滞納件数の割合いで深刻度合いは変わってきます。

最終的には管理組合での話し合いになる事が多いのですが、改善されない場合は他の所有者の負担になる場合もあります。

そのマンションの総世帯数・滞納金額・滞納件数を確認して、判断することが重要です。

 

・マンション全体の修繕積立金の総額

マンション全体の修繕積立金の総額(残高)は、今後の修繕計画と関連してきますので確認が必要です。この金額をチェックする際は「長期修繕計画書」と併せてチェックします。大規模修繕工事を実施した後すぐでは、総額が少ない場合もあります。総戸数と築年数・今後の修繕計画を併せて確認して、今後の積立額が順当に貯まるのかも見ておきましょう。場合によっては一時金が発生することも考えられます。

 

・管理費や修繕積立金の変更予定

管理費や修繕積立金の変更に関しては、必要があれば管理組合の総会などで話し合いがあり決議されます。

管理費は変更することは少ないですが、管理会社や管理形態が変わったり消費税の増税によって増減する事があります。

修繕積立金は長期修繕計画と連動して、築年数に応じて段階的に上昇していく事が多いです。

 

・管理組合の収支報告

収支報告の多くは貸借対照表などで確認できます。上記の修繕積立金の総額もここに記載されていることが多いです。

マンションによっては大規模修繕工事のタイミングなどで、借入れをしている事もあります。内訳を確認することは難しいですが、過不足金の有無などに注意してチェックしましょう。

 

 

条件に関する内容

 

・駐車場や駐輪場など共有部分のの月額や空き状況、利用制限など

それぞれのマンションによって駐車場や駐輪場の総台数や月々の金額、トランクルームや専用庭の月々の利用料などをここで確認できます。

立地や築年数によって駐車場が戸数分確保できていないマンションもあります。駐車場に空きがあっても車のサイズに制限がある場合もあります。前区分所有者から継承が出来るか、満車の場合は抽選なのか順番制なのかも確認が必要です。

 

・専有部分の利用制限や取り決め事項など

該当する住戸の利用用途、ペット飼育、改修工事(フローリング)、楽器の演奏、インターネットやテレビ共視聴設備などについての記載があります。

利用用途については居住用と記載されている事が多く、事務所や店舗や民泊を禁止している事が記載されています。

ペットの飼育については飼育の可否が記載されています。可能であれば頭数・種類・大きさなどが記載されていますが、入居後のトラブルを避けるためにも管理規約で詳細の確認が必要です。

改修工事についてはフローリングの遮音等級や申請に関して記載されています。改修工事に関しても管理規約で詳細を確認し、施工する工事会社とも共有しておくようにしましょう。

楽器の演奏については禁止されている事は少ないですが、時間や音量などが記載されていることがあります。こちらもトラブルになる事が多いので、管理規約での確認しておくことが重要です。ピアノに関しては重量物ですので、それに関する記載がある場合もあります。

インターネットのプロバイダややケーブルテレビの事なども記載されています。

 

 

建物に関する内容

 

・建築時の資料や定期報告書などの有無

建築時の設計図書や確認済証・検査済証の有無、住宅性能評価に関する書類や耐震診断に関する書類の有無、エレベーターなどの定期報告書の有無などの記載がされています。

 

・大規模修繕工事の履歴や実施予定

そのマンション全体の直近の大規模修繕の実施内容の履歴と、今後の予定の記載があります。

一般的に大規模修繕やその他の修繕に関しては、管理組合の総会で決議されて実施されます。長期修繕計画に沿っての実施となりますが、建物の状況や修繕積立金の状況によっては見直される場合もあります。その際には実施時期が変更になったり、修繕積立金が増額されることがあります。長期修繕計画書と併せて管理組合総会の議事録などの確認もしておくと良いでしょう。

修繕積立金が段階的に上昇する方式を取っている場合や、一時金を各戸から徴収したり管理組合全体で借り入れをする場合もあります。

 

・アスベスト使用調査、耐震診断結果や耐震補強について

ここではアスベスト(石綿)の使用状況の調査の有無や、耐震診断報告書を受けているかなどの記載がされています。

それぞれの調査に関しては費用が高額になるため、実施されていないマンションが多いのが実情です。

 

・土壌汚染、火災、漏水、雨漏り、事件、事故、自殺などの有無

この項目に関しては管理会社が把握している場合には記載があります。個人情報などの問題で開示されないことが多いので、売主側は知り得た情報を買主側に伝えることが重要です。買主側は不動産業者などに管理会社への情報収集を依頼することも重要です。

 

過去ブログも併せてご参考にしてください!

中古マンションの購入について⑤~重要事項調査報告書・長期修繕計画書とは?

マイホーム選び「購入にかかる費用について」

 

さいごに

 

今回は重要事項調査報告書のチェックすべきポイントについて説明いたしました。

管理費等の滞納状況や毎月の支払い項目などのお金に関する事、駐車場の空き状況やペットの飼育についての事、建物に関しての安全にかかわる事など、事前に確認しておくべき事柄が記載されています。後から条件が違ったというような事にならないように事前にチェックしておきましょう。

 

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